スライサーを使ったYTD(Year-to-Date)計算方法

実践例

日本の会計基準(4月1日スタート、3月31日エンド)で、期首から特定の月までの累積データ(YTD)を計算する機能は、企業の財務分析を行う際に欠かせません。この記事では、スライサーを使って日本の会計年度に基づくYTDを計算する方法について説明します。

Power BIでの実装方法

例として下記の月別売上データを使用します。

DateSalesAmount
2024-04100,000
2024-05120,000
2024-06130,000
2024-07150,000
2024-08170,000
2024-09160,000
2024-10180,000
2024-11190,000
2024-12200,000
2025-01210,000
2025-02220,000
2025-03230,000

次に、DATESYTDを使用し選ばれた月までの累計売上を計算するDAX式を作成します。重要な点は、日本の会計年度は4月1日から始まり、3月31日で終わることです。このため、DATESYTDを使う際には、会計年度終了日を3月31日に設定します。

  1. YTD Sales to Selected Month =
  2. CALCULATE(
  3. SUM(‘Sales'[SalesAmount]), // 累積する売上金額
  4. DATESYTD(‘Sales'[Date], “3/31”) // 会計年度の終了日(3月31日)を指定
  5. )

次に、スライサーを使って、ユーザーが動的に月を選択できるように設定します。これにより、選択された月までの売上累計を表示できます。

  1. スライサーを追加: Power BIの「ビジュアル化」ペインから「スライサー」を選択し、レポートに追加します。
  2. 年月列の追加: 年月列(例:2024-01, 2024-02…)をスライサーにドラッグ&ドロップします。
  3. 月選択: スライサーを使って、ユーザーが特定の月(例:2024年8月)を選択できるようにします。

スライサーで月を選択すると、YTD Sales to Selected Monthの値が自動的に更新され、選択された月までの累計売上が表示されます。例えば、ユーザーが「2024年8月」を選ぶと、2024年4月1日から2024年8月31日までの累計売上が計算されて表示されます。

実践的な利用シナリオ

この機能は、特に日本の会計基準に基づくレポートやダッシュボードを作成する際に役立ちます。具体的には以下のようなシナリオで活用できます:

  • 売上進捗の把握: 上司や経営陣に「今年の3月までの売上状況」をスライサーで簡単に示すことができます。
  • 月次レポート: スライサーを使って、経理部門や営業部門の担当者が選択した月までの売上を即座に確認できます。
  • 財務報告: 日本の会計年度に基づいて、月次で累計の進捗を追跡し、四半期ごとのパフォーマンス評価にも役立てることができます。

まとめ

日本の会計基準(4月1日スタート、3月31日エンド)に基づき、スライサーで選んだ月までのYTD累計を計算する方法を紹介しました。この方法を使用すれば特定の月までの累積データを動的に表示でき、ビジネスの進捗状況をタイムリーに把握することができます。

スライサーを使った柔軟な月別累計計算により、営業、経理、経営陣など、さまざまな関係者がデータを効果的に分析できるようになります。日本の会計基準に合わせたレポート作成を簡単に行えるこの機能をぜひ活用し、データ駆動型の意思決定をサポートしましょう!

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