Power BIである月の売上と前年同月の売上を比較してギャップを可視化する方法

実践例

Power BIを使ったデータ分析では、過去の売上と現在の売上を比較することで、パフォーマンスの変化を正確に把握することが重要です。この記事では例として2024年12月の売上を基に、前年同月(2023年12月)の売上と比較し、「売上差分(ギャップ)」や「前年比成長率」を計算する方法を具体的に解説します。

Power BIでの実装方法

使用するデータの例は以下の通りです:

テーブル名Sales

    • Date:売上日
    • SalesAmount:売上金額
  • ポイントDateのデータ様式が日付となっていることを確認します。

売上の比較に必要なDAXメジャーの作成

2024年12月の売上を計算するメジャーを作成します:

  1. Sales in Dec 2024 =
  2. CALCULATE(
  3. SUM(Sales[SalesAmount]),
  4. MONTH('DateTable'[Date]) = 12,
  5. YEAR('DateTable'[Date]) = 2024
  6. )
  • ポイントMONTHYEAR関数を組み合わせて、2024年12月に該当するデータのみを集計します。

次に昨年同月(2023年12月)の売上を計算するメジャーを作成します。ここではSAMEPERIODLASTYEARを使います:

  1. Sales in Dec 2023 =
  2. CALCULATE(
  3. SUM(Sales[SalesAmount]),
  4. SAMEPERIODLASTYEAR('DateTable'[Date])
  5. )
  • ポイントSAMEPERIODLASTYEARを使用すると、フィルターコンテキスト(2024年12月)に基づき、2023年12月の期間を自動的に取得します。

2024年12月の売上と2023年12月の売上の差分を計算するメジャーを作成します:

  1. Sales Gap =
  2. [Sales in Dec 2024] - [Sales in Dec 2023]

差分を前年比成長率として表示する場合は以下のメジャーを作成します:

  1. Sales Gap Percentage =
  2. DIVIDE(
  3. [Sales Gap],
  4. [Sales in Dec 2023],
  5. 0
  6. )
  • ポイントDIVIDE関数を使うことで、ゼロ除算(2023年12月の売上がゼロの場合)を防ぎます。

作成したメジャーの可視化

1. カードビジュアル

以下のメジャーをカードビジュアルに追加することで、売上比較をシンプルに表示できます:

  • Sales in Dec 2024(2024年12月の売上)
  • Sales in Dec 2023(2023年12月の売上)
  • Sales Gap(売上差分)
  • Sales Gap Percentage(前年比成長率)

2. テーブルまたはマトリックスビジュアル

に以下のメジャーを追加して、月ごとの詳細を比較する表を作成します:

  • 2024年12月の売上
  • 2023年12月の売上
  • 売上ギャップ
  • ギャップ率

3. スライサー

  • DateTable[Year]DateTable[Month]を使用して、分析対象を自由に切り替えられるスライサーを追加すると便利です。

まとめ

Power BIを使えば、2024年12月の売上を基に2023年12月の売上を簡単に比較し、パフォーマンスの変化を視覚化できます。この方法を応用することで、製品カテゴリ別、地域別、顧客層別の詳細な分析も可能です。

  1. 昨年同月との自動比較
    SAMEPERIODLASTYEARを使用することで、日付テーブルを基に過去の同月データを簡単に取得できます。
  2. 柔軟なフィルター対応
    特定のカテゴリや地域ごとにフィルターを設定することも可能です。例:DAXコードをコピーするSales in Dec 2024 (Electronics) = CALCULATE( SUM(Sales[SalesAmount]), Sales[Category] = "Electronics", MONTH('DateTable'[Date]) = 12, YEAR('DateTable'[Date]) = 2024 )
  3. リアルタイム分析の適用性
    TODAY()を活用すれば、特定の年や月ではなく現在時点の月の売上と昨年同月を動的に比較することも可能です。

データからインサイトを引き出し、ビジネスの意思決定を強化するために、ぜひこの記事の手法を試してみてください!

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