Power BIを使用して売上データをグラフ化する際、最初に直面する問題は、デフォルトではグラフがカレンダー通りに表示され、4月スタートの日本の会計年度に合った順番で表示されないことです。具体的には、売上データをそのままグラフにすると、1月から12月のカレンダー順で表示されるため、日本の会計年度(4月スタート、3月終了)に合わせた表示がされません。この問題を解決し、日本の会計年度順で売上をグラフ化する方法を、この記事では詳しく解説します。
本記事では、リレーションを設定することで日本の会計年度に基づいた月別売上グラフを作成する方法をご紹介します。会計年度に合わせたレポートを作成することで、より正確で視覚的に分かりやすいデータ分析が可能になります。
Power BIでの実装方法
例として月ごとの売上金額が含まれている売上データを使用します。以下のように、売上日付と売上金額が記録されているとします。
売上データの例
会計年度 | 月 | 売上金額 |
---|---|---|
2024年度 | 4月 | 10,000,000 |
2024年度 | 5月 | 12,000,000 |
2024年度 | 6月 | 11,500,000 |
2025年度 | 1月 | 15,000,000 |
このように、売上が月ごとに集計されています。
会計年度テーブルの作成
Power BIで会計年度別にデータを整理するには、会計年度を基準としたテーブルが必要です。会計年度テーブルには、各月の名前(日本語)や、その月がどの会計年度に属しているのかが記録されている必要があります。以下のようなテーブルを作成しましょう。
会計年度テーブルの例
月 | 月の順番 |
---|---|
4月 | 1 |
5月 | 2 |
6月 | 3 |
7月 | 4 |
このテーブルでは、月そして月の順番(1月から12月まで)が含まれています。「月の順番」を使用して月ごとの売上データを正しい順番で表示します。
リレーションの作成
次に、売上データと会計年度テーブルをつなげる必要があります。この2つのテーブルを「月名」でリレーションし、売上データを会計年度に合わせて整理します。
- 売上データの「月名」列と、会計年度テーブルの「月名」列を結びつけます。
- リレーションを作成することで、売上データの「月名」が会計年度テーブルの「月名」と一致し、月ごとの売上を会計年度に基づいて整理できます。
会計年度テーブルの「月の順番」を使って並び替える
会計年度テーブルの「月名」列を、「月の順番」に基づいて並び替える方法を説明します。これにより、Power BIで月別売上を表示する際に、4月スタート、3月終了の順番で月名が表示されます。
- 列を選択Power BIで会計年度テーブルを開き、「月名」列を選択します。
- 「月名」列を選択した状態で、Power BIのモデリングタブを開きます。
- 「並べ替え基準」のオプションが表示されるので、ここで「月の順番」列を選択します。
これで、「月名」列が「月の順番」に基づいて並べ替えられ、4月から始まり、3月で終わる会計年度の順番に並びます。
月別売上グラフの作成
会計年度テーブルに基づいて月別売上グラフを作成するために、以下の手順を踏みます。
- X軸: 会計年度テーブルの「月名」列を設定します。月の順番を基に並べ替えることで、4月スタート、3月終了の順番で月を並べることができます。
- Y軸: 売上データの「売上金額」列を設定し、月別の売上金額を表示します。
- グラフタイプには、棒グラフや折れ線グラフを使用して、視覚的に分かりやすい形で月別の売上金額を表示します。
まとめ
会計年度テーブルを作成し、リレーションを設定することで、会計年度テーブルの月の順番(4月スタート)に基づいたレポートをPower BIで効率的に作成できます。
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