Power BIでのデータのピボットとアンピボット

Power BIの応用

データ分析において、データの形を適切に整えることは非常に重要です。特に、大量のデータを扱う場合、データの「ピボット」や「アンピボット」を駆使することで、必要な情報を簡単に抽出できるようになります。Power BIのピボットとアンピボット機能は、データの見た目を変え、分析しやすくするための強力なツールです。

この記事では、Power BIにおけるピボットとアンピボットの基本的な概念と、実際の利用方法について具体的な例を交えながら解説します。ピボットとアンピボットを使いこなせば、データの整形作業がスムーズになり、レポート作成の効率も格段にアップします。

ピボットとは?

ピボットは、データの「行」を「列」に変換する操作です。通常、データは縦(行)で整理されていますが、分析するには「横(列)」にデータを並べ替えることで視覚的にわかりやすくなったり、集計が容易になったりします。ピボットを使うことで、複雑なデータをシンプルに再構成することができます。

例えば、売上データが月ごとに縦に並んでいる場合、各月を列として並べることで、年間の売上を横一列で比較できるようになります。

アンピボットとは?

アンピボットは、ピボットされたデータを逆に戻して、列を行に変換する操作です。ピボットによって整理されたデータが必要な時には、再度元の形式に戻すことが必要です。アンピボットを使うと、過去にピボットしたデータを元の形に戻すことができます。

例えば、各月の売上を一つの列にまとめて表示したい場合、ピボット後に各月ごとの売上を「月」列に戻し、集計されたデータを再整理することが可能です。

実際の例で学ぶピボットとアンピボット

ここでは、実際のデータを使って、ピボットとアンピボットをどう活用するかを解説します。

例1: 売上データのピボット

以下のような月ごとの売上データがあります。

商品名売上額
商品A1月10000
商品A2月15000
商品A3月12000
商品B1月8000
商品B2月9000
商品B3月9500

このデータをピボットして、商品ごとに月別の売上を横並びで比較できる形式に変換してみましょう。

手順

  1. Power Queryエディターでデータを選択。
  2. 「変換」タブの「ピボット列」を実行。

ピボット後、以下のようにデータが変換されます。

商品名1月2月3月
商品A100001500012000
商品B800090009500

これで、各月の売上額を並べて、商品ごとに簡単に比較できるようになりました。ピボットによってデータの可読性が大幅に向上し、集計や分析が直感的になります。

例2: ピボットされたデータのアンピボット

次に、先ほどのピボットされたデータを元に戻すアンピボットを行います。例えば、以下のようなピボット後のデータがあります。

商品名1月2月3月
商品A100001500012000
商品B800090009500

このデータを元の形に戻して、月ごとの売上額を「月」列として整理する方法です。

手順

  1. Power Queryエディターでピボットされたデータを選択。
  2. 「変換」タブの「ピボット列」を実行。

アンピボット後、データは次のように変わります。

商品名売上額
商品A1月10000
商品A2月15000
商品A3月12000
商品B1月8000
商品B2月9000
商品B3月9500

これにより、月ごとの売上額を集計して、さらに詳細な分析が可能になります。アンピボットを使うことで、ピボット時に失われた月ごとのデータを再構成でき、集計しやすくなります。

ピボットとアンピボットを使いこなすためのポイント

  • ピボットは集計や比較に有効:データが縦に並んでいるときは、ピボットを使うことで、横並びで比較しやすくなり、集計が簡単になります。
  • アンピボットはデータの正規化に有効:ピボットを使って整理したデータが逆に複雑に感じる場合、アンピボットで元の形に戻すことで再集計やデータ分析がしやすくなります。
  • 数値以外の列をピボットする場合:ピボットは数値データだけでなく、文字列やカテゴリデータに対しても有効です。例えば、商品のカテゴリや地域ごとに売上をピボットすることができます。
  • 複数列をピボットする:複数の列を同時にピボットして、複雑なデータを整理することも可能です。この方法を使えば、より精緻なデータ分析ができます。

まとめ

Power BIにおける「ピボット」と「アンピボット」は、データの整形と分析を効率的に行うための強力なツールです。ピボットを使うことで、複数の行を列に変換して視覚的に比較しやすくなり、アンピボットで元の形式に戻して再集計や詳細な分析を行うことができます。これらをうまく使いこなすことで、複雑なデータセットを効率的に整理し、レポート作成やデータ分析がスムーズに進むようになります。

ピボットとアンピボットを上手に活用して、Power BIを使ったデータ分析をさらに深め、よりパワフルなインサイトを引き出していきましょう!

コメント

タイトルとURLをコピーしました